労働相談Q&A

社会保険労務士が働く人と雇用する側の労働関係の法令について分かりやすく解説します。
(ポイントと解説は、当時の法令精度に基づいています。法改正により変更されている可能性もあります。)

  • Vol.38 退職届の承認について

    質問

    正規社員として勤務して5年になります。
    会社の就業規則では1か月前に退職願を提出することが定められています。この度、一身上の都合で退職を申し出ました。
    もちろん退職予定日の1か月前に上司に退職の意思を告げ、翌日に退職届を提出しました。ところが上司から「次の社員を採用するまで、待ってほしい」と言われ、1か月経過しても退職届が受理されていません。今後の再就職の準備もしたいのですが、退職届は会社が承認しないと、退職できないのでしょうか。

    ポイント

    ・退職は労働者の意思により、効力が発生するため、会社の承認を必要としません。
    ・期間の定めのない雇用契約については、解約の申し入れ後、2週間で終了することとなっており、会社の同意がなければ退職できないというものではありません(民法第627条)。

    解説

    正規社員の場合、期間の定めのない雇用契約になるので、労働者の申し出により2週間を経過すれば退職することができます。会社の業務の運営上、就業規則に「退職は1か月前に申し出なければならない」と定められていることがありますが、それは、後任の募集や引継ぎなど会社の事情によるものです。
    今回、「次の労働者を採用するまで、待ってほしい」と言われ、退職届が保留になっているようですが、法的には強制する根拠はありません。また会社の承認がなければ退職できないものでもありませんので、2週間以上も経過しているのであれば退職は可能です。
    しかし、いつまでも保留になるようでは、お互いに今後の予定に支障をきたしますので、上司と相談して退職の予定期限を決めることも必要です。予定期限内で、引き継ぎ文書を上司に提出して、次の人の業務がスムーズにいくように準備できたら出社しなくてもよいということになるでしょう。
    契約期間の定めがある雇用契約の場合は、原則として、使用者は契約期間の満了前には労働者を辞めさせることが出来ない反面、労働者も契約期間中は会社を辞めることができません。ただし、やむを得ない事由がある場合は、各当事者は直ちに契約を解除することができることとされています。
    5年間務めた会社ですので、退職もお互い気持ちよく行うよう双方で努力してみて下さい。

    (2025年11月掲載)

  • Vol. 37 副業・兼業した場合の社会保険はどうなりますか

    質問

    現在、パートで1日6時間、週4日勤務しています。
    勤務以外の時間を別の職場で働きたいのですが、その時の社会保険などはどのようになりますか。また、自由に働いても問題ないのでしょうか。

    ポイント

    複数の事業所で勤務する場合、社会保険については、それぞれの雇用条件が加入条件を満たすかどうかで、以下いずれかのパターンになります。

    (1)両方の職場で加入要件を満たしている場合→それぞれの職場で社会保険加入
    (2)1社だけで加入要件を満たしている場合→一方の職場で社会保険加入
    (3)どちらも満たしていない場合→非加入

    複数で加入する場合の保険料は、それぞれの給料を合算して決定されます。
    また、勤務している事業所の就業規則に定めがあるか、事業所の承認が必要か等を確認することが大切です。

    解説

    最近は、働く人の副業・兼業を希望する人が増えていますが、基本的に、働く時間数などの条件で、社会保険の加入が必要かどうかを決定します。
    社会保険の加入のメリットとして、傷病手当金、出産手当金が受給できること、将来の厚生年金額が増えることなどがあります。

    社会保険の加入要件は
    ①1週間の所定労働時間が20時間以上  ②月額賃金が88,000円以上 
    ③2か月を超える雇用契約がある     ④勤務先の従業員が51人以上
    ⑤学生でないこと
    となっています。

    複数事業所で社会保険に加入する場合は、「二以上事業所勤務届」を提出する必要があります。
    相談者の場合、1日6時間、週4日の勤務でしたら、兼業する仕事は、残りの時間で働くことになりますので、兼業する事業所での社会保険の加入要件に該当しない可能性が大きいですね。現在の職場で社会保険に加入しているか確認してください。
    なお、雇用保険については、主たる事業所(1つの事業所)のみで加入することになりますので、複数で加入する必要はありません。
    複数の事業所で働く場合、労働時間にも注意が必要です。週40時間を超える場合は、時間外の割り増し賃金が発生しますので、副業・兼業する場合、主に働いている職場の就業規則で副業・兼業についての定めがあるか確認してください。
    働き方として副業・兼業の場合、長時間労働にならないように気をつけることも大切です。

    (2025年9月掲載)

  • Vol. 36 有給休暇の通勤手当支払いについて

    質問

    正規社員として勤務して3年になりますが、有給休暇を消化するために1か月休み、先月退職しました。退職日の翌日に賃金が振込されていたのですが、通勤手当が計算に入っていませんでした。
    通勤手当は毎月定額で支給されていました。これまで有給休暇で休んでも、通勤手当が減額されることはなかったのですが、このような場合通勤手当も請求できるのでしょうか。

    ポイント

    通勤手当は会社によって定め方が違いますので、規程内容を確認しましょう。
    ・年次有給休暇の賃金について、各社の就業規則では一般的に、次の3つの方法で定められています。
    有給休暇の賃金については、
    ① 平均賃金で支払う 
    ② 健康保険法の標準報酬日額で支払う
    ③ 所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金で支払う
    就業規則の規程が①と②で定められている場合は、月の賃金の中に「通勤手当」が含まれていますので、通勤手当を支払う必要はありません。ただし③の、通常賃金で支払う場合は減額しないで通勤手当を含めて支払う必要があります。

    解説

    通勤手当は、法律上の定めではありませんので、必ず年次有給休暇を取得した日について通勤手当を支払わなければならないということではありません。本来、通勤手当には、実費弁償的な性格があるからです。ですから、年次有給休暇を取得した日について、通勤手当が支払われなかったとしても、年次有給休暇を取得したために通勤費用がかかっていないことになりますので、支払われなくても違法とはいえません。
    就業規則等で、「通勤手当は、実際に出勤した日についてのみ支給する」「○日以上出勤しない場合は通勤手当を減額または支払わない」と定めていれば、通勤手当が支払われないこともあります。また、就業規則に定めがない場合は、通常賃金(通勤手当も含めた額)を支払うことになります。
    休暇の際の通勤手当については、どのような条件で決められているのかを確認してください。

    (2025年7月掲載)

  • Vol.35 パート・短時間勤務も有給休暇がありますか?

    質問

    1日6時間、週4日でパート勤務しています。
    正規社員は、年間5日の有給休暇を取ることが義務となっているようですが、パートにもその制度は利用できるのでしょうか。この会社で勤務して4年目となっていますが、パートも年間5日取得するように言われたことはありません。

    ポイント

    有給休暇の年間5日取得義務化は、正社員・非正規社員を問わず、条件(年間10日以上有給休暇を付与されていること)を満たす全ての従業員に対して適用されます。条件を満たす場合はパートタイマーであっても5日取得義務の対象となることが労働基準法の第39条に定められています。

    解説

    有給休暇を年間5日取得させることは、2019年の働き方改革で導入されました。
    条件は、年間10日以上の有給休暇が付与されている従業員が対象です。
    パートタイマーの有給付与日数は出勤日数(所定労働日数)と継続勤務年数に応じて決められています。
    週30時間未満で4日勤務の場合は下記の通りとなります。

    【週所定労働日数 4日 / 1年間の所定労働日数 169日~216日】
     勤続年数   6か月 (有給休暇 7日)
          1年6か月 (有給休暇 8日)
          2年6か月 (有給休暇 9日)
          3年6か月 (有給休暇 10日)
          4年6か月 (有給休暇 12日)
          5年6か月 (有給休暇 13日)
          6年6か月 (有給休暇 15日)

    週4日勤務の場合、年間10日の有給休暇が発生するのは、3年6か月からになります。
    1日ではなく、半日休を取得する場合は、半休は0.5日分として扱い、半休2回で年休1日分としてカウントされることになります。
    ただし時間単位年休は、有給取得義務化の対象にはならないので注意しましょう。

    有給休暇には2年間のうちは繰越すことが可能なので、1年目に年休を十分に取得出来なかったとしても、2年目で残りの有給休暇を利用することが出来ます。
    会社と相談して年5日の有給休暇を取得しましょう。

    (2025年5月掲載)

  • Vol.34 傷病手当金は退職後も受給できますか。いつまで受給できるのでしょうか

    質問

    1年前に入社しましたが、うつ病と判断され、医師から3か月の療養が必要と診断書が出たので、仕事を休んで傷病手当金を受けています。なかなか体調がよくならないので、退職を考えていますが、退職後も傷病手当金は受給できますか。受給期間はいつまででしょうか。

    ポイント

    傷病手当金は、健康保険に加入している従業員が病気やけがのために会社を休み、十分な報酬が受けられない場合に支給されます。受給要件は次のとおりです。
    ①業務外の病気やケガで療養中、労務不能(就業できない)であること。
    ②4日以上仕事を休んでいること。
    ③給与の支払いがないこと。(給与が一部だけ支給されている場合は、傷病手当金と調整されます。)

    解説

    (受給期間は)
    傷病手当金は、同一の傷病について支給を開始した日から通算して1年6ヶ月まで受給できます。1年6ヶ月の期間中に復帰し再度欠勤した際、復帰して給与支払期間がある場合、その期間は1年6ヶ月に含まれません。

    (退職後の受給要件は)
    退職後受給するには次の要件が必要です。
    ①退職日(被保険者の資格喪失をした日の前日)までに継続して1年以上の被保険者期間(健康保険任意継続の被保険者期間を除く)があること。
    ②退職日(資格喪失時)に傷病手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていること。
    傷病手当金を受給していて、退職を予定している場合は、上記の条件をチェックすることを忘れないようにして下さい。

    支給額は、標準報酬のおおよそ2/3です。

    (追加情報)
    また、出産手当金と傷病手当金は同時に受けることはできません。
    ・出産手当金を受給している間に病気にかかり働けない状態になった場合、出産手当金の支給が終わった後、傷病手当金を受けることができます。
    ・傷病手当金が先に支給されている場合、出産手当金が支払われたものとして取り扱われます。

    (2025年1月 掲載)

  • Vol.33 労働条件通知のルールが変更になります

    質問

    いろいろな就職セミナーで、就職する際は雇用主と「労働条件通知書」「雇用契約書」を交わして内容を確認しましょう、と言われます。また2024年4月から、労働条件明示が変更になったと聞きました。具体的にどのようなことに注意すればよいのか、教えてください。

    ポイント

    「労働条件通知書」は、会社が人を雇う際に、雇用する側と働く人とのトラブルを防ぐために、雇用主が労働条件を記入して働く人に交付する書類です。(作成は法律で義務づけられており、明示事項も定めがあります)。雇用形態が多様化する中、トラブル防止のため2024年4月1日から「労働条件明示ルール」が変更になりました。

    解説

    労働条件明示ルール変更理由としては
    ① 労働契約の多様化や処遇改善に対応するため
    ② 有期契約労働者の無期契約転換を促進するため
    ③ 労働条件の明確化により労使間の紛争を防ぐため としています。
    変更追加項目は、以下の項目です。
    ⑴ 就業場所・業務の変更の範囲
     例)・就業場所(雇入れ直後)…本社、(変更の範囲)…本社、すべての支店及び本人自宅での勤務
       ・業務の内容(雇入れ直後)…経理事務 (変更の範囲)…全ての業務への配転有
    ⑵ 有期契約労働者の場合…更新上限の有無と内容(通算契約期間・更新回数上限)
    ⑶ 無期転換申し込み機会の明示、無期転換後の労働条件明示

    労働条件通知書(雇用契約書)を交付する際の確認ポイントです。
     1.契約期間・試用期間 2.就業の場所 3.従事すべき業務の内容 4.始業・就業・労働時間・時間外労働 5.休日・休暇 6.賃金 7.退職に関する事項 8.社会保険の加入状況等
    お互いで内容を確認して、働きやすい職場環境をつくりましょう。


    労働条件通知書・・・事業所側から働く人に通知される文書で、労使間のトラブル防止のために交付されます。
    雇用契約書・・・働く際に事業所と労働者の合意に基づいて作成されます。内容は労働条件通知書とほとんど同じですが、両者の署名、捺印が必要です。(労働条件通知書は署名・捺印は必要ありません)。

    (2024年11月 掲載)

  • Vol.32 職場でハラスメントの相談窓口を利用するときの準備について

    質問

    参加したセミナーで、すべての会社にハラスメント(職場のいじめ、いやがらせ)相談窓口の設置が法律で義務づけられていることを知りました。早速確認したところ社内の相談窓口は総務が担当しているとのことです。これまで上司からの嫌がらせを受けたことがありましたので、パワハラではないかと思い、相談窓口を利用しようと思いますが、相談するとき、どのような準備をすればよいでしょうか。
    また、社外にも相談することができるでしょうか。

    ポイント

    社内の「ハラスメント相談窓口」の相談員は、社員が担当することもありますが、外部へ相談依頼している会社もあります。相談窓口を利用するときは、窓口の相談日時、相談方法(面談、電話、Faxなど)などを確認した上で、相談の予約を取り、相談をスムーズに行うために次のような準備をして臨むことをお勧めします。

    解説

    2022年4月からパワハラ防止法ともいわれる「労働施策総合推進法」が改正され、全ての会社にハラスメント相談窓口の設置と相談員の任命、相談に対して再発防止措置を実施することが義務化されました。
    相談窓口の利用に当たっては、次のような相談前の準備をして臨むことをお勧めします。
    ⑴相談日、時間の予約をしましょう。予約の際に要望事項も伝えます。
     ・女性(または男性)相談員を希望、匿名で可能なのか等。
    ⑵相談したい内容を、5W1Hでまとめましょう。
     who(誰に),what(何を),when(いつ),where(どこで),why(なぜ),how(どのようなことをされたのか)。
     自分が不愉快だと感じたこと(ハラスメント行為だと)を、順序だててまとめましょう。
    ⑶誰かに相談したのであれば、どのようなアドバイスを受けたのか、についても記録しましょう。証拠になるのがあれば、準備します(メール、手紙、録音など)。
    ⑷ハラスメント行為者に対しての要望をまとめておく。
     ・相談員に話を聴いてほしい、調査してほしい、指導してほしい、不快な思いをした、行為を止めてほしい、・別の部署へ異動してほしい等。
    このような準備をすることで、相談者自身も相談したい内容が整理されてきます。
    ハラスメント防止のためには、一人ひとりが我慢せずによい職場作りに向けて相談することが重要です。
    外部相談窓口として、沖縄県女性就業・労働相談センター、沖縄労働局雇用環境・均等室や沖縄県社会保険労務士会などがあります。

    (2024年7月 掲載)

  • Vol.31 有期雇用社員でも育児休業がとれますか

    質問

    有期契約社員として入社して1年になりますが、この度今年12月に出産予定になりました。雇用期間は来年の3月末までですが、有期雇用社員でも育児休業がとれますか。また休業期間はいつまでになるのでしょうか。

    ポイント

    ・令和4年4月1日に、育児介護休業法が大きく改正されました。
    改正後は、育児休業をすることができる有期雇用社員の範囲は「育児休業申出の時点で、子が1歳6か月に達するまでに労働契約の期間が満了することが明らかでない」者とされています。
    この条件を満たす場合、有期雇用社員も原則として育児休業を取得できますが、会社が「育児休業の対象者を限定する労使協定」を結んでいると、育児休業の取得対象とならないこともあります。

    解説

    ポイントに記載したとおり、労使協定がある場合、会社は以下の有期雇用契約者が申し出た育児休業を拒むことができます。
    ①入社1年未満の社員
    ②育児休業申出の日から1年以内に雇用契約が終了することが明らかな社員
    ③1週間の労働日数が2日以下の社員
    自社で、このような労使協定が締結されているかどうかを確認してみましょう。

    会社で労使協定が締結されていたとしても、相談者の場合、①の「入社1年未満」はクリアしています。問題は、②の「申出日から1年以内に雇用契約の終了が明らかかどうか」という部分ですが、会社から明確に「雇用契約の終了」を知らされていなかったり、または契約書の更新の記載が「更新することがある」になっている等、宙ぶらりんの状態であれば、更新の有無も含めた雇用期間の満了日を早めに会社に確認しましょう。

    育児休業は、原則として子が1歳を迎えるまでの休業です。社員の職場復帰を前提とする制度ですが、有期社員の育児休業期間が「雇用期間満了まで」とされるような場合もあります。会社の育児休業制度を早めに確認し、計画的に行動できるよう準備をしておきましょう。また、復帰を見込む場合、育児休業終了後も働く意思があることを会社に明確に伝えるとともに、責任をもって休業日までの仕事を進めることが大切です。

    (2024年1月 掲載)

  • Vol.30 LGBTとハラスメントの関係について

    質問

    最近、LGBTについて、社内で話題になることがあります。
     職場にも、LGBTではないかと感じられる社員もいますが、そのことについて、「うっかりするとハラスメントになることがある」と言われました。なぜ、それがハラスメントになるのか、また、どのように対応すればよいかについて、教えていただきたいです。

    ポイント

    ・LGBTとは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人)の頭文字をとった言葉で、性的マイノリティ(性的少数者)を表す総称のひとつとしても使われることがあります。

    解説

    日本におけるLGBTの割合は、現在では約3%〜10%と言われています。
    LGBTとハラスメントの関係では、次のことを理解しておく必要があります。
    ⑴ カミングアウト…自らの性のあり方を自ら誰かに話すこと
    ⑵ アウティング…本人の性のあり方を、同意なく第三者に暴露すること
    ⑶ ゾーニング…性的指向と性自認の個人情報の共有範囲をコントロールすること
    ハラスメントの関係では、自ら性のあり方を誰かに話す、カミングアウトは自分らしくありたいことの表現とする人がいます。ただ、
    ・人格を否定するような言動は、「精神的な攻撃」当たります。
    ・⑵のアウティングは、「個の侵害」にあたります

    性的指向(どんな性に恋愛感情を抱くのか、どんな性に性的感情を抱くのかといった要素のこと)、性自認(自らが認識している性のこと)、を理由に仕事から排除した場合も、パワハラに該当するとしています。
    LGBTは、病気ではないため、治すということにはなりません。ただ、少数であるため、一般的に違和感を持つ人は少なくありませんが、他の社員と同じような自然な対応で接するようにして下さい。
     職場での配慮として、男女共用の個室トイレや多目的個室トイレなどの設置、また「だれでもトイレ」などの利用しやすいネーミングの工夫も必要でしょう。

    (2023年7月 掲載)

  • Vol. 29 退職後の傷病手当金と失業保険

    質問

    心療内科に通院しながら働いていましたが、2か月前から休職となりました。
    現在は傷病手当金を受け取りながら休職を続けています。傷病手当金は1年6か月まで受け取ることができると聴きましたが、退職後の傷病手当金を受け取る条件と 失業保険はどのようになるのか教えて下さい。

    ポイント

    退職後に傷病手当金を受給する要件、療養中の失業給付延長の要件は次のとおりです。
    ① 退職日までに1年以上、継続して健康保険に加入していること。
    ② 退職時に傷病手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていること。
    ③ 失業給付は、病気療養で労働することができない場合は、4年を限度として受給期間を延長する制度がある。

    解説

    療養のために休職しても経済的不安がストレスになり、回復に支障をきたしてしまいます。そのために傷病手当金は、条件を満たせば退職後も受け取ることができます。
    1. 退職後の傷病手当金受給要件は上記のとおりですが、傷病手当金は、通算して1年6カ月まで受け取ることができますが、傷病手当金と失業給付は同時に支給されることはあり得ません。
    傷病手当金は、会社に在籍している間は、社会保険料の支払が必要ですので、毎月会社の指定口座への振込が就業規則に定められていることが多いです。会社に確認しましょう。

    2.失業給付は、失業、「労働の能力を有する者」が職業に就けない状態にあることが支給要件なので、療養中で仕事につくことができない状態では、失業給付は受け取れません。ただし、失業保険には原則として離職日の翌日から1年間という受給期間がありますので、長期間病気やケガが治らない場合は、受給期間を延長できる制度(4年を限度)があります。
    失業給付の受給期間を延長する要件は次のとおりです。
    ① 受給期間内に病気やケガにより、引き続き30日以上職業に就くことができない期間があること
    ② 本人が申出をすること 
    延長の期間などについては、ハローワークで相談するのがよいでしょう。
    十分に療養して復職できるよう制度の利用をお勧めします。

    (2022年9月 掲載)

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